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                行政処分された不動産会社

                        国土交通省や都道府県による行政処分の実態です。

不動産会社数と行政処分数

■ 不動産会社数

不動産会社(宅地建物取引業者)が全国で何社あるかご存知でしょうか。 大臣免許の業者が2,431社、知事免許が120,985社の合計で 123,416社です。


そして過去20年間の業者数の推移を見てみると、平成9年から減少傾向にあり平成25年は122,127社まで落ち込んでから 上向きに転じ平成28年は123,416社まで増加しています。不動産業界は活況を呈しているようです。


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■ 監督処分数

不動産会社数の推移と監督処分(行政処分)された会社数の推移を見比べると、 不動産会社数の増減に1~2年ほど遅れて処分される会社数が追い付いていくという相関関係が見えます。 減少傾向にあった処分された会社数も、平成27年の227社から増加に転じ平成28年には251社まで増加しています。 更にその内訳を見ると、指示や業務停止に比べ「免許取消」が急増しており悪質な業者が増えているようです。

そして先程の相関関係から、1~2年後も処分される会社は増え続けると推測されます。


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■ 情報の引用元

宅地建物取引業者数、宅地建物取引業者数の推移、監督処分数の推移については、 国土交通省の 平成29年9月22日 土地・建設産業不動産業課 発行の「平成28年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果」を参照しました。

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この報告書の全文はこちら


行政処分された業者

■ 国土交通省の行政処分

国土交通省が提供している国土交通省ネガティブ情報検索システムで検索することができます。 宅地建物取引業者以外のネガティブ情報も検索できます。

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国土交通省ネガティブ情報等検索サイトは ⇒ こちら

  1級建築士は ⇒ こちら

  宅地建物取引業者は ⇒ こちら

  不動産鑑定士は ⇒ こちら

  マンション管理業者は ⇒ こちら



■ 都道府県知事の行政処分

都道府県知事が行った監督処分情報も国土交通省ネガティブ情報検索システムで検索することができます。


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 都道府県知事が行った監督処分情報は ⇒ こちら

  東京都は ⇒ こちら

  神奈川県は ⇒ こちら

  埼玉県は ⇒ こちら

  千葉県は ⇒ こちら



■ 東京都知事の監督処分情報

例えば東京都の監督処分情報では、会社名や登録番号、処分の種類、違反行為の概要を一覧で見ることが出来ます。


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  全体の一覧表は ⇒ こちら

行政処分された違反行為の実例


実例1

■ 違反行為

売主宅建業者と買主個人の区分所有建物の1室の売買契約の媒介業務において、 (1)売主が宅建業者であるにもかかわらず、瑕疵担保責任の対象範囲を限定し、 当該瑕疵が発見された場合に契約解除及び損害賠償請求ができない旨の特約を付した。 また、(2)売買契約締結済の本物件について、契約の変更内容並びに売買代金以外に 授受される金銭の額及び授受の目的を明確にしないまま、 売買代金や契約条件の異なる売買契約を、後日締結させた。


■ 私のコメント

瑕疵があっても損害賠償できない特約の付加や、条件の異なる売買契約書の二重作成。 これはもう、犯罪レベルではないでしょうか。


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実例2

■ 違反行為

1.①土地・建物の売却の一般媒介契約及び ②土地・建物の売却の専任媒介契約(その後一般媒介契約に切替え)を締結した業務において、 依頼者に、媒介業務に係る費用の見積りをあらかじめ十分に説明せず、 特別な依頼に基づく広告の費用として金銭を預かり、その後、返金の求めに対し、 「預り金使用明細」1枚を交付し、 当該業務の遂行のために要した費用を証する資料(領収証等)など明確な根拠に基づく精算を行わず、 広告費用の実費額以上の金銭を含む金額を差し引いて返金した。

2.②の業務において、2週間に1回以上の業務の処理状況の報告をしなかった。

3.これらのことは、 平成27年2月4日付けで業務の全部停止30日間及び指示の行政処分を受けながら同様の行為を繰り返したことに加え、 「預り金使用明細」に記載の「新聞掲載及び製作関係費用」が実費額を超過しており、情状が特に重い。


■ 私のコメント

預かった金は返さない。行政処分を受けても違反行為を繰り返す。不動産会社は慎重に選ぶ必要があります。


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実例3

■ 違反行為

1.区分所有建物の1室の売買契約の媒介業務において、専任媒介契約を締結したにもかかわらず、 指定流通機構に登録しなかった。

2.区分所有建物の1室の売買契約の媒介業務において、 ①専任媒介契約を締結したにもかかわらず、指定流通機構に登録しなかった、 ②重要事項説明書に専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めについて、有(別添)と記載したが、規約等の定めを添付しなかった、 ③実際は、その事実がないにもかかわらず、 売買契約書に、本物件の抵当権等の債権額が本契約の売買代金を超過している旨の不実の記載をした。


■ 私のコメント

具体的な違反の内容が分かり難いのですが、売買契約書に不実の記載とは恐ろしいことです。


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実例4

■ 違反行為

国土交通大臣の指定する宅地建物取引業保証協会の社員の地位を失ったにもかかわらず、当該社員の地位を失ってから1週間以内に営業保証金を供託していない。


■ 私のコメント

不動産の購入では多くの場合に手付金が必要になります。しかし手付金を預けて直ぐに不動産会社が倒産した場合、 手付金が返ってこない恐れがあります。 このような状況を防止するために宅地建物取引業者の免許を受けるには、 宅地建物取引業保証協会に加入し「弁済業務保証金分担金」を納付するか、 多額の「営業保証金」を法務局に預ける(供託)ことが義務付けられています。

そしてこの違反行為はどちらの義務も果たされていない、つまり資金的に行き詰まった不動産会社が多いことを示しており、 このような会社と取引きすると、売買の途中で倒産し痛手を被る恐れがあります。
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危険な不動産会社と取引きしないために

■ 不動産業の実績を確認

宅地建物取引業者の免許には更新の回数が記載されています。更新回数が多ければ問題なしとは言い切れませんが、 少なくとも実績の証しの目安にななります。


■ ネガティブ情報を検索

過去に処分を受けている会社は、はやりパスした方が良いかと思います。


■ 宅地建物取引業保証協会への加入の確認

不動産会社のホームページの会社情報などに加入している協会が記載されている場合が多いようです。 もし加入している協会が分からない場合は営業さんに聞いてみましょう。

なお不動産会社のホームページに協会の記載があっても、その地位を失っている場合もあります。 その協会のホームページで不動産会社の記載があるかも確認しましょう。


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