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                     安易な物件購入プロセス

                            初心者の方が安易に物件を購入してしまうプロセスを解説

安易な物件購入プロセス

■「安易な物件購入プロセス」とは

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私は不動産投資をされている方の話を伺う機会が多くありますが、「収益がマイナス・空室が埋まらない・予想以上の修繕費用」などで大変な状況に陥っている方も少なくないようです。

このような方に物件をどのように購入したか伺うと初めて参加した不動産セミナーで購入したり、最初に出会った営業マンから購入したという方が多いようです。 地方の物件を一度も見ずに購入された方も珍しくはありません。 まるで週末のショッピングのようです。

多くの方が安易に物件を購入してしまう理由は何なのでしょう。
私は初心者の方が、知識が十分ではない状態で誰にも相談せずにひとりで行動していることが原因と考え、このような物件購入に至る過程を「安易な物件購入プロセス」と呼んでいます。

ここでは、「安易な物件購入プロセス」とは何かをご紹介し、このプロセスに陥らないための対策を提案したいと思います。


■ プロセス1:不動産投資セミナーに参加する

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最初はネットでの情報収集や市販本での勉強ですが、この段階を卒業すると不動産投資セミナーに参加するようになります。
セミナーも幾つか参加すると余裕が出てきて営業マンとも仲良く対等に会話ができるようになります。 ここで気を付けるべき点は、セミナーは売りたい人と買いたい人だけから構成され、セミナールームという「密室」で開催されているということです。 これは一種の集団催眠のようなもので 物件購入が当たり前だという感覚に陥ってしまいます。

セミナーは不動産投資家の卵が集まる「巣」であり、教える側の不動産会社は「親鳥」です。 卵からかえった雛は最初に見たものを親と信じるといいます。 気が付かないうちに親切な営業マンを親鳥として信頼してしまうのではないでしょうか。


■ プロセス2:物件を紹介を受ける

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「この物件は新築で利回りが○%で、月々のキャッシュフローが○○万円、こちらの物件は駅近で徒歩○分。更にこちらの物件は〇分です。」と営業マンが物件の紹介を始めます。
これは、マーケティングで良く使われる心理学的な手法で、靴屋さんで「黒の靴は落ち着いて見えますし、茶色の靴は着ているコートに合いますが、 どちらになさいますか?」と提案し「買わない」を選択肢から除外する売り方です。 この手法を不動産会社の営業マンが意識しているかは分かりませんが、集団催眠の状態に陥っているこの段階では非常に効果的だと思います。

最後に「こんな物件を購入できるとは、うらやましい限りです。」、「何もしなくても毎月これだけの収入が入るのですから」とおだてられ、優越感をくすぐられます。 この傾向は、特に年収の高い方や会社での役職が上の方に多いようです。


■ プロセス3:物件の現地確認

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物件を紹介されたら営業マンと一緒に現地へ物件を見に行くことになります。 しかし、「さあ、どうぞ見てください」と言われても、いったい何を見て良いのやらです。 物件保有の経験が無い方に確認すべきポイントなど分かるはずもありません。 物件を購入し更に自分で管理して苦労を重ねないと見えてこないポイントだと思います。
物件の気になる点を指摘しても想定される質問と回答は事前に準備済です。 営業マンは百選練磨のプロですから。素人がかなうはずがありません。

そして決めゼリフ「こんな素晴らしい物件のオーナー様とはうらやましい限りです。」とおだてられて有頂天になります。


■「安易な物件購入のプロセス」の正体とは

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あなたと接する登場人物を振り返ってみましょう。すべて不動産会社の関係者です。
・セミナー講師(不動産会社の関係者)
・物件の紹介(不動産会社の営業マン)
・物件の現地確認(不動産会社の営業マン)

セミナーで集団催眠の状態に陥り「物件を買う」のが当たり前となった状態から物件紹介・現地確認に至るまで、「あなた」と「売る側の人間」しか登場しないのです。 このためセミナーから物件購入まで催眠状態が継続している可能性があります。これが「安易な物件購入のプロセス」の正体だと思います。
こうなると営業マンから勧められるままに物件を購入し、冷静になってから「なぜこんな物件を買ってしまったんだ」と後悔することになります。


■ 安易な物件購入のプロセス」に陥らないために

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不動産投資を誰にも相談せずにひとりで実践されている方は多いようです。 副業禁止のため同僚や上司には秘密にしていたり、家族が不動産投資に理解を示さないため相談できないといった方も多いようです。 このため一人で考え一人で行動されている方が多く、結果的にこの状態に陥ってしまうようです。

対策としては、まずは家族、特に既婚者の方は奥様に話してみましょう。 不動産投資を理解していないので説明しても無駄と思ってはいけません。 本当に良い物件であれば自信を持って説明でき、家族の方からも支持されるはずです。 きちんと説明できない物件は購入すべきではないでしょう。 できることなら「第三者の不動産経験者」へ相談し現地確認への同行などをお願いできたらよいでしょう。 そのためには「売る側」以外の方との交流を持つことが大切かと思います。

このような相談が難しい場合でも、物件を購入される前に一度立ち止まり、客観的に見つめ直して頂けたらと思います。
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