■利回りとは何でしょう
利回りを一言で表現すると販売価格に対する家賃収入の割合で、下記の式で表わされます。
利回り(%)=年間の家賃収入÷販売価格×100
販売価格と利回りが分かれば、物件の年間の家賃収入を計算することができます。
例えば 価格が 1億円で利回り 6%の物件は、家賃収入は600万円であることが分かります。
年間家賃収入=販売価格(1億円)×利回り(6%)= 600万円
■利回りは収益性の比較が容易
不動産物件の広告では、なぜ「販売価格と家賃収入」だけではなく、「利回り」が記載されているのでしょう。
それは、販売価格と家賃収入では物件の比較が難しいからです。
例えば、下記の物件A,B,Cで収益性の比較は簡単には出来ません。
物件A:販売価格(1億円)、 年間の家賃収入(600万円)
物件B:販売価格(6千万円)、 年間の家賃収入(390万円)
物件C:販売価格(4500百万円)、年間の家賃収入(315万円)
しかし、これを利回りで表現したらどうでしょう。とても簡単に収益性を比較することが出来ます。
物件A:販売価格(1億円)、 利回り(6.0%)
物件B:販売価格(6千万円)、 利回り(6.5%)
物件C:販売価格(4500百万円)、利回り(7.0%)
利回りを使用することで、販売価格や家賃収入の異なる物件の収益性を簡単に比較することができるのです。
■販売価格を何年で回収できるか
利回りは販売価格に対する年間の家賃収入の割合です。
しかし、ちょっと見方を変えると、利回りは、販売価格を100%とした場合の、1年間で回収できる割合を示しています。
また購入した物件の価格を何年で回収できるかを下記の式で求めることが出来ます。
例えば、利回り8%の物件は、物件の購入金額にかかわらず12.5年で回収できることが分かります。
回収年数=100% ÷ 利回り(8%)= 12.5年
物件購入後に家賃収入が変わると利回りも変わります。 このため、あくまでも目安ですが、物件の購入費用を何年で回収できるかの指針として考える事ができます。
■利回りが高いと良い物件?
利回りをまとめると下記のようになります。
利回りが高い → 収益性が高く、回収年数も短い
利回りが低い → 収益性が低く、回収年数も長い
念のため、利回りが異なる2つの物件で比較してみましょう。販売価格はどちらも1億円とします。
・利回り8%の物件
- 年間の家賃収入:800万円(1億円×8%)
- 販売価格の回収: 12.5年(1億円÷8%)
・利回り16%の物件
- 年間の家賃収入:1,600万円(1億円×16%)
- 販売価格の回収: 6.25年(1億円÷16%)
この結果だけを見ると、利回り16%の物件の方が家賃収入が多く、短い期間で物件の購入額を回収できることから良い物件に思えます。