サラリーマン大家

                  <実録>営業マンに騙された!!(物件購入)

不動産投資を検討し始めた頃

■不動産投資セミナーに参加

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2012年の春、不動産投資に興味を持ち市販の本などで勉強していた私は、不動産投資セミナーが開催されていることを知りました。 私のようなサラリーマンが参加して良いものか分かりませんでしたが、勇気を出して参加してみました。 最初に参加したセミナーの講師は不動産の本も出版されている著名な大家さんで、参加者は既に不動産投資を実践している方も多く、参加者から「利回り」や「融資」の具体的な質問が出るなど、 初心者の私は圧倒されるようなセミナーでした。いま思えばかなり上級者向けのセミナーだったと思います。

このような世界があることを初めて知り、既に物件を持ち講師に質問をする参加者の方を羨望の目で見ながら 私もこの世界に入りたいと強く思いました。 その後もいくつかのセミナーに参加した私は、 次第に不動産投資家の仲間入りした気になり普通のサラリーマンが知らない世界を知っているという優越感を感じるようになりました。



■セミナーでの物件紹介

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多くのセミナーでは「個別相談」の時間が設けられていました。セミナーを何度か経験した私は、個別相談を依頼してみる事にしました。 個別相談を申込むと営業マンが横に座り、会社名や年収、勤続年数、家族構成、預貯金などを細かく聞かれました。 何を相談して良いか分からない私は、営業マンに聞かれる事に答えることしか出来ませんでした。 質問を終えた営業マンは、おもむろに不動産物件が記載された1枚の紙を出して言いました 「あなたにピッタリの物件はこれです!!」

私は驚きました。なぜならまだ何も相談していないからです。相談も受けずにピッタリな物件が分かるはずはありません。 私はこのような営業マンから物件を買う気にはなりませんでした。





■信頼できる営業マンとの出会い

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また別のセミナーに参加した時の事でした。セミナーの講師はセミナーを主催する会社の営業マンで、 話の内容から学識が高いことがすぐに分かりました。 また講師と参加者の距離が近くフレンドリーな形式で、これまで参加したどのセミナーとも違う 新鮮な感じを受けました。

このセミナーが他と大きく違うところがもうひとつありました。物件紹介が無いのです。セミナー後の個別相談会もなく、 変りに「懇親会」となっていました。懇親会には、参加者のほぼ全員が参加し、ビールとおつまみも出てきて、 自己紹介から始まる楽しい時間となりました。講師でもある営業マンは物件などの話は一切せず、 5年後10年後を考えて不動産投資を進めることの重要性などを話してくれました。

この誠実な対応と不動産投資の考え方を聞いて、この営業マンなら信頼できると思ったのです。

不動産物件の購入を相談する

■銀行の裏ルールとは

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ようやく見つけた信頼できる営業マン。早速、連絡し物件の購入を相談しました。

そこで営業マンからこんな話をされました。「銀行は初めて取引する人には大きな融資を出しません。 銀行の信頼を得て大きな融資を得るにはかなりの年数がかかります。だから普通にやっても不動産投資では成功できないのです」。 銀行の融資を受けることの難しさや融資を受けるテクニックは市販の本やネットでも紹介されており、この話には私も納得しました。

そして営業マンはこんな話を始めました。

「一般には知られていない銀行の裏ルールがあります。 それは銀行が勧める物件を購入することです。購入には銀行と取引実績のある不動産会社の推薦が必要で、 推薦の人数が決められています。本当に信頼できる方にしかお勧めできませんが特別にご紹介します」。 「この物件はあまり利回りが良くありませんが、この物件を購入し1年~2年間きちんと賃貸経営ができると、 銀行の信頼が得られ大きな融資が得られます。そうなったら山手線の内側の一等地に建つ大きなマンションのオーナーになれるんです!!」



■営業マンを信じて物件購入

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営業マンの言葉を信じて言われるがままに銀行が勧める物件を購入しました。

購入したのは東京近県の郊外にあるマンションの区分です。 物件は利回りが良くないので毎月のキャッシュフローも微々たるものでした。 更に購入の2ヶ月後には入居者が退去し、数か月間マイナスが続き大変な状況になりました。 しかし、これも銀行から大きな融資が得られるまでの試練と考え必死に耐えました。









■営業マンの裏の顔

サラリーマン大家 物件購入から1年が過ぎ、大きな融資が得られるのも近いと期待していた頃です。

不動産会社から突然の通知が届きました。あの営業マンの懲戒免職の知らせでした。 驚き不動産会社に問合せたところ、会社の顧客からお金を集めて夜の店を経営していたが失敗し、 返金を求めた顧客が不動産会社におしかけて事が発覚したとのことでした。

■銀行の裏ルールの嘘を知る

愚かな私も営業マンに教えられた「銀行の裏ルール」が嘘だったことを知りました。

山手線の内側の大きなマンションは幻であり、 利回りの良くない物件と融資だけが残るという現実を突き付けられ、目の前が真っ暗になりました。


騙されて学んだ事

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■なぜ騙されたのか?

私が騙されたのは、営業マンを信頼しすぎて他に相談しなかったことです。 そして他に相談できる人がいなかったことが背景にあります。

普段は副業禁止のサラリーマンなので会社の上司や同僚には相談できません。 私の妻には不動産の知識がなく、大きなローンとなると反対されるのは目に見えています。 このような誰にも相談できず自分ひとりで決断せざるを得ない時に信頼できる営業マンと出会ったため無条件で信じてしまった事が敗因だと思います。

■騙されないためには

ひとりの営業マンを無条件に信じないためには、普段から相談できる人との交流を持つことが大事だと思います。 そのためには、奥さんや兄弟、友人で一緒に不動産の勉強をしたり、 できる事なら既に不動産投資を実践している方など、不動産を売る側ではなく買う側の方と知り合いになっておくと良いと思います。

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